【報告】水田除草ロボットの勉強会を実施しました
2023.10.18
日時 | 2023年9月12日(火)9:00~11:45 |
場所 | 熊本県立大学 CPDホール+オンライン |
講師 | 宮崎大学農学部附属フィールド科学教育研究センター 講師 松尾 光弘 |
参加者 | 〈コンソ構成員〉
【研究機関】 熊本県立大学(松添) 熊本高等専門学校(湯治、田中、山下) 津山工業高等専門学校(井上、曽利) 鹿児島大学(髙山) 佐賀大学(上埜) 末松電子製作所(末松、本村) IKOMAロボテック(安藤、松永、戸田) 地方経済総合研究所(内藤、前田) 【普及・実用化支援機関】 山都竹琉(野口) |
〈研究支援者〉
九州バイオリサーチネット(本田) |
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〈協力機関〉
山都町役場(仁田水、西) |
協議内容
(1)水田内雑草の概要(松尾先生)
(2)水田内雑草の除草技術や課題(松尾先生)
(3)開発中の球体除草ロボット(松添(研究統括者))
(4)開発中の球体除草ロボットへの意見・アドバイス(松尾先生)
(5)質疑応答
概 要
(1)水田内雑草の概要
雑草の定義は一定でない。人間の活動する中で防除が必要なもの。水田雑草と畑雑草に分類。生活型によって一年生雑草、多年生雑草に分類。土壌水分により水生雑草、湿生雑草、乾生雑草に分類。
(2)水田内雑草の除草技術や課題
除草剤抵抗性個体は、除草剤の連用によって雑草遺伝子内のDNA塩基配列の変化が要因。日本だけでなく世界的に増えている。除草剤は環境への影響も無視できない。農薬全般を減らしていくことが重要。今後の除草機の開発には識別能力の向上が必要。人間の場合は形態、条間・株間、色、草種、発生密度、大きさなどを識別。今後は機械(AIシステムやカメラ)で判別する技術が求められる。
(3)開発中の球体除草ロボット
ロボットの試験機(直径17㎝)の運動特性や外装部の突起と除草能力の関係並びに除草能力の評価方法について説明があった。
(4)開発中の球体除草ロボットへの意見・アドバイス
ヒエだけが繁茂している水田だけではないので、普及にあたってはそれぞれの雑草種に併せていろいろなパターン(突起の形状を変える等)を検討しても良いと考える。試作機の突起は小さいので、もっと突起の面積を増やした方がいいと考える。土の攪拌による防除について、多年生のものは土中に根などの栄養器官が残るので難しい。まずは一年生をターゲットにしてもいい。
(5)質疑応答
質問:球体ロボットでできることは限られている。いつ投入するかが大事。代掻きをしてから田植えまでに時間があればその時に動かすことが有効かを聞いてみたい。
回答:代掻き直後は早いと思う。また田植え直後も稲が活着していないので難しい。活着して抜けなくなってから投入するのが一番早い時期だと思う。
質問:均平化について。水深10センチくらいあればある程度できそうと思うが、どの程度まであればヒエが減りそうか。
回答:ヒエは酸素濃度に関わらず発芽するので水深はあまり関係ない。
質問:雑草の種子はどのくらいの深さで発芽しやすいか。突起はターゲットを2センチ程度と考え、設計している。
回答:3センチ以上の深さに埋めれば発芽しづらくなる。ただし、出芽の深さは種子の大きさと相関があるため、種子が小さい草種は浅くても良い。
以上